鳥取市と富山市、移住するならどっち?
東京でのITワーカー経験と、妻の地元岡山へのIターンを経て、地方移住における資産形成と生活のバランスは、人生設計において極めて重要だと実感している。今回は、地方都市への移住を検討する上で注目すべき鳥取市と富山市を、具体的なデータをもとに比較する。移住後の生活の質と将来の資産形成を両立させるため、冷静な視点でそれぞれの都市の特性を明らかにする。
お金の面で比べると
まず、資産形成の観点から見て、投資余力の差は無視できない。鳥取市は月9.3万円の投資余力がある一方、富山市は月7.5万円だ。この差は月々1.8万円、年間で21.6万円に達する。NISAを活用して資産運用を始める私のような移住者にとって、この手残りの差は将来の資産形成スピードに直接影響する。岡山移住後にNISAを始めた経験から、毎月の積立額の多寡が数年、数十年後の資産額に大きな違いを生むことは明白だ。
次に、生活コストの大部分を占める家賃を見てみよう。鳥取市の1LDKの家賃は4.5万円であるのに対し、富山市は5.5万円だ。鳥取市は富山市よりも月1万円、年間で12万円低い。この家賃の差は、投資余力の差にもつながっていると見て間違いない。固定費である家賃が低いことは、生活の安定性を高め、予期せぬ出費への対応力も向上させる。3児の父として、教育費や日々の生活費が増える中で、家賃が低いことは家計の大きな助けとなる。
仕事・暮らしやすさで比べると
仕事の探しやすさという点では、求人倍率が参考になる。富山市の求人倍率は1.58倍で、鳥取市の1.52倍をわずかに上回っている。この0.06ポイントの差は小さいものの、富山市の方が仕事を見つける選択肢がわずかに広いことを示している。東京でITワーカーとして働いていた経験から、地方での職探しは都市部とは異なる特性を持つ。特定のスキルや経験を持つ場合、平均的な求人倍率だけでは判断できないが、一般的な雇用機会の多さでは富山市に軍配が上がる。
暮らしやすさについては、数値だけでは測れない部分が大きい。鳥取市は山陰地方の中心都市であり、豊かな自然環境が魅力だ。子育て世代にとっては、公園や自然体験の機会が豊富にあることは大きなメリットとなる。一方、富山市は北陸新幹線による首都圏へのアクセスが良く、コンパクトシティ構想が進む都市として、利便性の高さが特徴だ。都市機能が集約されており、公共交通機関も充実しているため、車がなくても生活しやすい環境が整っている。子育て支援策や医療体制、地域コミュニティの活発さも、移住先を選ぶ上で重要な要素だ。私の家族のように子供が多い場合、地域のサポート体制は非常に重要になる。
田村の結論
投資余力を最大化し、生活コストを抑えながら資産形成を進めたい移住者には鳥取市が向いている。一方、都市の利便性と仕事の選択肢を重視し、ある程度のコスト増を受け入れられる移住者には富山市が有利だ。