札幌市とつくば市、移住するならどっち?
東京でのITワーカー経験を経て、妻の地元である岡山へIターンし、もう8年が経つ。3人の子育てに追われながらも、地方での暮らしと資産形成のバランスを常に考えてきた。移住を検討する際、単なる憧れだけでなく、具体的なデータに基づいた比較が不可欠だ。今回は、北海道の拠点である札幌市と、首都圏近郊の学園都市つくば市を、私の経験を交えながら冷静に比較する。
お金の面で比べると
まず、資産形成の観点から最も重要な「投資余力」から見ていく。札幌市の投資余力は月5.8万円、対してつくば市は月5.7万円。この数字を見る限り、両都市に大きな差はない。しかし、わずかながら札幌市が優位にある。この差は、家賃の項目に起因すると私は判断する。
家賃1LDKの平均を見ると、札幌市が6.2万円であるのに対し、つくば市は6.5万円とやや高い。この月3,000円の家賃差が、そのまま投資余力のわずかな差として表れていると見て間違いない。東京からのIターンで実感したことだが、地方移住の大きなメリットは生活コスト、特に家賃を抑えられる点にある。月数千円でも、年間では数万円、10年単位で見れば数十万円の差が生まれる。この浮いた資金をNISAなどの非課税投資に回すことで、将来の資産形成に大きな差を生み出す。つくばの家賃が札幌より高いのは、やはり首都圏へのアクセスが良い点が影響している。この点をどう評価するかが、住まい選びの重要なポイントとなる。
仕事・暮らしやすさで比べると
次に、仕事と暮らしやすさの観点から両都市を比較する。求人倍率を見ると、つくば市が1.62倍と非常に高い数値を示している。一方で札幌市は1.15倍だ。この差は、移住先での仕事探しにおいて、つくば市が圧倒的に有利な環境にあることを明確に示している。
つくば市は「研究学園都市」としての特性が強く、専門性の高い職種や、研究開発に関わる求人が豊富に存在する。東京へのアクセスも良く、新幹線や高速バスを利用すれば都心への通勤・通学も現実的な選択肢となる。私のような元ITワーカーであれば、都心企業のサテライトオフィスや、つくば市内のIT関連企業でのキャリア形成も十分に見込めるだろう。子育て世代にとっては、教育機関の充実度や、学術的な雰囲気が魅力に映る。
対する札幌市は、北海道最大の都市であり、広大な自然と都市機能が融合した魅力を持つ。求人倍率はつくばに劣るものの、観光業や農業、食品加工業など、北海道ならではの産業が盛んだ。都市部にはIT企業も集積し、選択肢は存在する。冬の厳しさはあるが、四季折々の自然を満喫できる環境は、3人の子育てをする私にとって非常に魅力的だ。都市公園やレジャースポットも多く、家族で楽しめる場所には事欠かない。しかし、都心へのアクセスという点では、つくばのような利便性はない。
田村の結論
キャリアアップや都心へのアクセスを重視し、専門職での再就職を狙うならつくば市が向いている。自然豊かな環境で子育てしつつ、生活コストを抑えたいと考えるなら札幌市が最適な選択だ。