甲府市と山口市、移住するならどっち?
地方移住を検討する際、単なる憧れだけでは現実的な生活設計は難しい。特に、資産形成とキャリアの両立は移住後の生活の質を大きく左右する。今回は、甲府市と山口市を、データに基づき冷静に比較し、それぞれの都市の特性を明らかにする。
お金の面で比べると
私は東京から妻の地元である岡山に移住後、NISAを始めた経験を持つ。地方での生活は、東京と比べて支出が抑えられ、資産形成に直結する実感がある。この観点から見ると、甲府市と山口市では明確な差がある。
甲府市の投資余力は8.2万円/月に対し、山口市は8.7万円/月である。この差は月額5,000円、年間では6万円にもなる。長期的な視点で見ると、この年間6万円の差は複利効果によって大きな違いを生み出す。例えば、年利5%で20年間運用した場合、元本に加えて約200万円の差が生まれる計算だ。これは子供の教育資金や老後資金に直結する金額であり、移住先を選ぶ上で非常に重要な指標となる。
家賃の面では、甲府市の1LDKが5万円、山口市が4.8万円である。月額2,000円、年間2.4万円の差は、投資余力の差に比べると小さい。しかし、家賃は毎月発生する固定費であり、日々の生活費に影響を与える。わずかな差であっても、長期的に見れば確実に支出を抑える要因となる。
総合的に見ると、山口市は家賃がやや安く、さらに投資余力が高い。これは純粋に資産形成を加速させたいと考える移住者にとっては明確な利点となる。移住後の生活において、毎月安定して投資に回せる金額が大きいことは、精神的な余裕にもつながる。
仕事・暮らしやすさで比べると
東京のIT企業で働いていた私にとって、地方での仕事探しは現実的な課題だった。求人倍率は、その地域の仕事の探しやすさを端的に示す指標である。
甲府市の求人倍率は1.48倍に対し、山口市は1.58倍である。山口市の方が求人倍率が0.1ポイント高い。この差は、特に専門性の高い職種や、特定の業界での仕事を探す際に、選択肢の広さとして現れる。もちろん、個人のスキルや経験が市場でどう評価されるかは個別のケースだが、全体的な傾向として山口市の方が仕事を見つけやすい環境にあると言える。
暮らしやすさについては、データにはないが、両市とも県庁所在地としてのインフラは整っている。甲府市は富士山を望む豊かな自然環境が魅力であり、首都圏へのアクセスも比較的良い。対して山口市は、瀬戸内海に近く、穏やかな気候が特徴だ。私の経験から、地方での生活は通勤時間が短縮され、家族と過ごす時間が増える。これは金銭的な価値に換算できない大きなメリットである。子育て世代にとっては、両市とも都市部と比較してゆったりとした環境で子育てができる利点がある。
田村の結論
資産形成を最優先し、より多くの投資余力を確保したい移住者には山口市が明確に向いている。一方で、都心へのアクセスや山岳地域の自然環境を重視する移住者には甲府市が適している。